消防ヒヤリハットデータベースより
https://internal.fdma.go.jp/hiyarihatto/pdf/2016/3820/16J0024.pdf
事案概要
- 事案名: 救急現場での血圧測定時にシャントの確認を怠る
- 発生日時: 平成26年11月16日 午後3時頃
- 天候: 晴れ
- 発生場所: 屋外(救急車内)
- 事案内容:
- 意識障害のある傷病者に対して血圧測定を実施する際、腕にシャントがあるか確認せずに測定を行った。
- シャントを誤って圧迫することで患者の血流に影響を与えるリスクがある状況だった。
事故の原因
- 直接的原因
- シャントの有無を目視確認しなかった。
- 行動要因
- 焦りや注意力の欠如。
- 現場の状況評価やリスク認識が不足していた。
- 多忙や心理的プレッシャーにより注意が散漫になっていた。
- 管理要因
- 指揮者からの危機管理伝達が不足していた。
影響
- 実際には患者への重大な影響は記録されていないが、ヒヤリハットとしてのリスクが存在。
- 対応者(当事者A)は、年齢24歳、勤続年数1年、現場経験1年の消防士。
事故後の対策
- 注意力向上のための教育
- 血圧測定の際にシャントの確認を徹底するよう教育。
- 心理的要因の軽減
- 焦りや注意欠如に対する予防策を講じる。
- 管理体制の改善
- 指揮者からの危機管理やリスク伝達を強化。
シャント側での血圧測定による患者への不利益を示します。
直接的な危険性
シャントの損傷リスク
- 血圧測定時のカフ圧迫によりシャントが破損する可能性がある[1][3]
- シャント部からの出血が発生するリスクがある[3]
- 血流の停滞や閉塞を引き起こす可能性がある[3]
血流への影響
- 血圧測定時の加圧により、シャントの血流が完全に停止する[1]
- 血流停滞による機能障害が発生する可能性がある[3]
長期的な影響
シャントの機能低下
- シャントに不必要な負担がかかり、寿命が短くなる[1]
- シャントの狭窄や閉塞のリスクが高まる[4]
治療への影響
- シャントが損傷した場合、透析治療が実施できなくなる[5]
- 新たなシャント手術が必要になる可能性がある[4]
シャントは透析患者にとって「命綱」となる重要な血管アクセスであるため、不必要な圧迫は可能な限り避けるべきです[1]。血圧測定は必ず反対側の腕で行うことが推奨されています[2]。
Citations:
[1] https://www.e-touseki.com/post/q0086
[2] https://www.jinlab.jp/support/basic_4shunt_summary.html
[3] https://www.jamt.or.jp/books/safety/pdf/safetynews_015.pdf
[4] https://www.touseki-hdclinic.com/needs/shunt_trouble.html
[5] http://touseki.jp/nakatsugawa/shunt-06.html
[6] https://akagi-cl.com/about_dialysis_03.php